文中の点線付き用語を選ぶと、筋トレ・記録用語集を新しいタブで確認できます。
kageで種目ごとの推移を確認するには、**「履歴」を開き、下へスクロールして「記録のインサイト」内の「種目別の伸び」**を見ます。本稿で扱うのはこの履歴内カードであり、「分析」タブの「負荷」レンズにある週次ワークセット(用語集を新しいタブで開く)・高努力セットとは別機能です。
「種目別の伸び」では、推定筋力、最大重量、総レップ(用語集を新しいタブで開く)、ワークセット、総仕事量を切り替えられます。大切なのは、五つを同じ種類の「成長スコア」と考えないことです。表示中の指標が何を数え、何を数えないかを確認してからグラフを読みます。
要点は次の5つです。
- 五つの指標は別の問いに答える。同じ「成長スコア」として比較しない
- 総レップは反復数、ワークセットは論理セット(用語集を新しいタブで開く)数、「総仕事量」は重量×総レップのvolume-load(用語集を新しいタブで開く)(重量と回数の積)
- 生の点と3点中央値を分けて読む。3点・6点は表示ルールであり、科学的な十分性の閾値ではない
- PR(用語集を新しいタブで開く)菱形は、選択中の指標固有の記録更新とは限らない
- グラフの増減を良い・悪いへすぐ変換せず、日別のセット内容とRIR(用語集を新しいタブで開く)(あと何回できたかという余力の目安)を併読する
「kage「記録のインサイト」の見方|総レップ・ワークセット・負荷量を読み解く」では何を確認する?
kageで種目ごとの推移を確認するには、「履歴」を開き、下へスクロールして「記録のインサイト」内の「種目別の伸び」を見ます。関連資料 1図解の参照資料 4件
五つの指標は別の問いに答える
| kageの表示 | 主に確認できること | 単独では分からないこと |
|---|---|---|
| 推定筋力 | 重量と回数から計算したe1RM(用語集を新しいタブで開く) | 実測1RM(用語集を新しいタブで開く)、筋量、フォームの質 |
| 最大重量 | その日の対象ワークセットで使った最大の外部重量 | 回数、余力、総量 |
| 総レップ | その日に対象種目で完了・記録した反復数 | 重量、可動域(用語集を新しいタブで開く)、筋肥大(用語集を新しいタブで開く)刺激 |
| ワークセット | 反復を記録した論理セット数 | 各セットの重量、RIR、部位別刺激 |
| 総仕事量 | 重量×総レップのvolume-load | 物理学的仕事、消費エネルギー、内的反応 |
読み方の要点は、表の左列を「今日見ている数字」、右列を「その数字では決めないこと」として使うことです。
レジスタンストレーニングの監視レビューは、種目、外部負荷、量、セット間休息(用語集を新しいタブで開く)、反復速度など複数の変数が関わり、それらの統合方法には合意がないと整理しています。4 一つのグラフだけでトレーニング全体を説明しようとしないことが出発点です。
進歩は一つの指標だけでなく指標ごとの問いで読む
- 01重量 × 回数そのsetの実績
- 02e1RM式による最大挙上重量の推定
- 03volume定義した方法による仕事量の集計
- 04RIR・メモ努力度と実施条件の文脈
総レップの読み方
結論は、総レップは「何回やったか」の合計であり、重量や刺激の強さの順位ではない、です。
総レップは、選択種目でその日に記録された対象ワークセットの反復数を合計します。同じ種目、器具、重量帯、RIR、可動域が近いなら、実施量の増減を確認しやすくなります。
ただし、50kg×30回と100kg×15回は、総レップだけなら30回と15回です。前者が筋力、筋肥大、疲労のすべてで「上」とは判断できません。重量を下げて高回数を行う日、重い重量へ寄せる日では、総レップが逆方向へ動き得ます。
次の研究は、処方変数(セット数、回数、負荷など)の意味が成果の種類ごとに違う、という読み方が中心です。総レップを万人共通の成果指標とまでは言えません。
ACSMの2026年ポジションスタンドは、健康成人の137件の系統的レビュー(用語集を新しいタブで開く)、3万人超を統合し、筋力・筋肥大・身体機能と処方変数を整理しました。1 処方変数の意味はアウトカムによって異なり、総レップ単独を万人共通の成果指標と認定した資料ではありません。
ワークセットの読み方
結論は、ワークセットは「何セット記録したか」を重量に依存せず数える指標だ、ということです。部位別の最適量や、研究で使う筋群別dose(刺激量の数え方)へはそのまま置き換えません。
ワークセットは、日ごとのトレーニング量を重量単位に依存せず数えるための指標です。例えば3セットから4セットへ増えた日は、対象種目の論理セット数が1増えたことが分かります。
次の研究は、週のセット量と平均的な適応の関係を示します。個人がセットを足すほど成果が無限に伸びることまでは言えません。
2026年のメタ回帰(用語集を新しいタブで開く)は67研究・2058人をまとめ、週セット量の増加と筋肥大・筋力向上の平均的な正の用量反応を報告しました。同時に追加量による利益は逓減し、参加者の79.1%が男性、平均年齢は25.16歳でした。主解析では、対象アウトカムへの直接セットを1、間接セットを0.5として数えるfractional集計を使っています。3 集団平均の関係であり、セットを追加するほど個人の成果が直線的・無制限に増えるという意味ではありません。kageの1論理セットを、この研究の筋群別doseへそのまま置き換えることもできません。
kageの種目別ワークセットは筋群別の直接セット数でもありません。複合種目1セットを、関与するすべての筋へ同じ1セットとして再配分する表示ではないため、種目別セット数から部位別の最適量を決めないでください。
「総仕事量」は物理学的仕事ではない
画面の「総仕事量」の実体はvolume-load(重量×回数の積)であり、ジュール単位の物理学的仕事や消費エネルギーではありません。そのため、種目間の刺激順位の比較には使えません。
kageの画面ラベルは「総仕事量」ですが、計算している実体は重量 × 総レップのvolume-loadです。例えば80kgを10回なら800kgです。左右ペア種目は片側重量へ左右の実施回数合計を掛けます。
次の研究は、同じセッションでも「量」の数え方を変えると結果が食い違う、という読み方が中心です。一つの計算法が他を代表するとは言えません。
物理学的な仕事は力と変位を含み、単位はジュールです。経験者10人がスクワット系3条件を行ったランダム化クロスオーバー(用語集を新しいタブで開く)研究では、volume-load、体重を含むvolume-load、time under tension(用語集を新しいタブで開く)、力×変位によるtotal workを別々に計算し、条件間の結果も異なりました。6
したがって、kageの「総仕事量」を物理学的仕事、消費エネルギー、筋肥大刺激と読み替えません。異なる種目のkg値を刺激順位にすることも避けます。詳しい計算境界は「筋トレのボリューム計算方法」を参照してください。
外的な実施量と身体の反応を分ける
結論は、グラフは「記録した実施量」であり、身体の反応そのものではない、です。次の行動は、点をタップしてセット内容とRIRを併読することです。
総レップ、ワークセット、volume-loadは、記録した運動という外的なexposureを記述します。身体が受けた内的なdoseや、その後の適応と同じではありません。exposureは外から見た実施量、doseは身体側が受けた刺激、と読み分けると迷いにくいです。
Impellizzeriらの概念レビューは、外的負荷と内的負荷を因果的に関連する別概念として整理し、指標の妥当性は目的と媒介機序に照らして評価すべきだと論じています。5 数字が精密に見えても、目的に関係する反応を直接表すとは限りません。
また、重量と回数が同じでも、可動域、テンポ、収縮様式、休憩、限界までの近さが違えば同じ条件ではありません。2 グラフの点をタップし、日別詳細のセット内容とRIRを併読します。
生の点と3点中央値を分けて読む
結論は、中央値は最近の中心を見る補助線であり、誤差やフォーム差を消す処理ではない、です。期間名より、実際に入った日次点数を先に確認します。
「種目別の伸び」は、各セッションの開始時刻を端末のローカル暦日へ変換し、同じ日に複数セッションがあれば一つの点へ集約します。生の点に加え、3観測目から後方3点の中央値を表示します。
中央値は、単発の高値・低値の影響を抑えて最近の中心を見る補助線です。測定誤差、フォーム差、器具差を消す処理ではありません。生点を確認したうえで使います。
期間変化は3点未満では表示しません。3〜5点は期間内の最初と最新、6点以上は最初3点と最新3点の中央値を比較します。3点・6点はkageの表示ルールであり、科学的に十分な観測数や真の変化を保証する閾値ではありません。
したがって、期間名だけで判断せず、実際に入った比較可能な日次点数を確認します。1〜2点は基準作りの段階、3点以上も記述的な比較の開始条件にすぎません。短期の問いは4週、より長い推移は12・26週へ広げますが、長いほど自動的に正確になるわけではありません。
PR菱形は選択中の指標固有とは限らない
結論は、菱形はその日に何らかのPR(自己記録)フラグがある印であり、今見ている指標の史上最高とは限らない、です。
グラフのPR菱形は、その日の対象セットのいずれかにkageの一般PRフラグがあることを示します。
例えば重量PRを記録した日には、総レップやワークセットのグラフへ切り替えても同じ日にPR菱形が表示され得ます。その点が「総レップ史上最高」「volume-load史上最高」という意味ではありません。PRの種類と認定条件は「筋トレのPRとは?」で確認してください。
kageで「種目別の伸び」を見る手順
結論は、履歴カードで期間・種目・指標を分けて選び、最後に日別の中身を見る、です。
ここからは2026年9月2日時点のkage仕様とiOS・Android実装に基づく操作です。
1. 履歴を開いて下へスクロールする
本稿の5指標は「履歴」画面の下部、「記録のインサイト」内にあります。「分析」タブの「負荷」レンズは、週単位のワークセットと高努力セットを見る別機能です。
2. 4・12・26週から期間を選ぶ
期間は表示窓です。長い期間を選んでも、比較scopeに合う記録が少なければ点は増えません。
3. 種目を選ぶ
比較scopeは、全履歴で最新のtrackingMode、マシンcomparison identity、loadEntryModeの組み合わせです。過去に同名種目を別マシンや別重量入力方式で記録していても、最新scopeと異なる記録は同じ線へ入りません。
4. 指標を一つずつ切り替える
「総レップが増えた」「ワークセットは同じ」「volume-loadは下がった」のように、事実を分けて読みます。増減を直ちに良い・悪いへ変換しません。
5. 日を選び、インスペクターを確認する
同じカード内に表示される日別インスペクターで、重量、回数、RIR、セットtype、partial、左右実績を確認します。フォーム、可動域、メモはこのカードに表示されないため、必要なら履歴から該当セッションを別途開いて確認します。
kageの集計境界
結論は、五つの指標が同じ日でも同じセット集合から作られるとは限らない、です。0回とtimed(用語集を新しいタブで開く)(時間で記録するセット)は総レップ系から外れ、推定筋力はさらに狭い条件です。
総レップ、ワークセット、最大重量、総仕事量は、timed以外でtotalReps > 0の論理セットを対象とします。normal(用語集を新しいタブで開く)、superset(用語集を新しいタブで開く)、AMRAP(用語集を新しいタブで開く)だけでなく、drop set(用語集を新しいタブで開く)とmyo-reps(用語集を新しいタブで開く)も反復があれば対象です。completeとpartialを含み、0回とtimedは除外します。
左右ペアは左右で論理1セットです。総レップとvolume-loadには左右の実施回数を合計し、partialなら記録された側の回数を使います。重量0kgの自重種目は、反復数とセット数には入ってもvolume-loadは0です。
推定筋力だけは別条件で、完了済みのnormal、superset、AMRAP、1〜12回を対象とします。左右ペアは両側完了かつ低い側です。したがって、同じ日に五つの指標すべてが同じセット集合から作られるとは限りません。
本稿の限界
読み方は、本稿が「指標の意味と表示ルール」を整理した文章であり、画面の使い方が成果を改善した試験ではない、と捉えることです。
採用研究は健康成人の平均的な処方効果、監視概念、限られた種目のvolume計算法を扱います。kageの5指標切り替え、日次集約、3点中央値、PR菱形の表示が、判断、筋力、筋肥大または継続を改善するかを直接検証した試験ではありません。
4・12・26週の期間cutoffは、現行iOSがカレンダー週の減算、Androidが7×24時間の固定秒数で計算します。夏時間の切り替え境界などで開始時刻に小差が生じ得るため、両OSが常に同一の開始日時を使うとは限りません。これは科学的な期間閾値ではなく、2026年9月2日時点の実装上の制約です。
画面の値は記録されたデータの要約です。実際に行ったのに未入力のセットは数えず、フォーム、可動域、痛み、体調、食事などを自動判定しません。表示値を医学的な疲労・回復・傷害リスクの指標として使わないでください。
まとめ
次に迷ったら、この順で戻ります。
- 「履歴」を下へスクロールし、「記録のインサイト」内の「種目別の伸び」を見る
- 「分析」タブの「負荷」レンズとは別機能
- 総レップは反復数、ワークセットは論理セット数を示す
- 「総仕事量」の実体は重量×総レップのvolume-load
- volume-loadは物理仕事、消費エネルギー、筋肥大刺激ではない
- 生点と3点中央値を併読し、3・6点を科学的閾値にしない
- PR菱形は選択中の指標固有PRとは限らない
- 五つの指標は対象セット条件が完全には同じでない
参考文献
- Currier BS, D'Souza AC, Fiatarone Singh MA, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Med Sci Sports Exerc. 2026. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003897
- Coratella G. Appropriate Reporting of Exercise Variables in Resistance Training Protocols: Much more than Load and Number of Repetitions. Sports Med Open. 2022. DOI: 10.1186/s40798-022-00492-1
- Pelland JC, Remmert JF, Robinson ZP, Hinson SR, Zourdos MC. The Resistance Training Dose Response: Meta-Regressions Exploring the Effects of Weekly Volume and Frequency on Muscle Hypertrophy and Strength Gains. Sports Med. 2026. DOI: 10.1007/s40279-025-02344-w
- Scott BR, Duthie GM, Thornton HR, Dascombe BJ. Training Monitoring for Resistance Exercise: Theory and Applications. Sports Med. 2016. DOI: 10.1007/s40279-015-0454-0
- Impellizzeri FM, Shrier I, McLaren SJ, et al. Understanding Training Load as Exposure and Dose. Sports Med. 2023. DOI: 10.1007/s40279-023-01833-0
- McBride JM, McCaulley GO, Cormie P, et al. Comparison of methods to quantify volume during resistance exercise. J Strength Cond Res. 2009. DOI: 10.1519/JSC.0b013e31818efdfe
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この記事は健康成人向けの一般的なトレーニング情報であり、個別の医療・リハビリテーション・競技処方ではありません。
