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トレーニング記録

筋トレ記録の付け方|重量・回数・セット数を次回の負荷設定に生かす方法

筋トレ記録で残すべき重量・回数・セット数・RIRを、スポーツ科学の知見に基づいて解説します。比較できる記録を次回の負荷設定に生かす方法を紹介します。

kage編集部が参考文献とアプリ仕様を確認しています。医療監修を示すものではありません。

文中の点線付き用語を選ぶと、筋トレ・記録用語集を新しいタブで確認できます。

筋トレ記録の目的は、数字を埋めることではありません。「次回も同じ重量で行うか」「回数を増やすか」「負荷を上げるか」を、記憶ではなく実績から判断できる状態をつくることです。

記録するだけで筋力や筋量が増えるわけではありません。しかし、筋力や筋肥大(用語集を新しいタブで開く)への適応には負荷、セット数、頻度、動作範囲など複数の変数が関わります。2026年のAmerican College of Sports Medicine(ACSM)ポジションスタンドも、目的に応じてトレーニング変数を調整する必要性を示しています。1 中上級者ほど、小さな変化を比較できる形で残す意味が大きくなります。

要点マップ

「筋トレ記録の付け方|重量・回数・セット数を次回の負荷設定に生かす方法」では何を確認する?

筋トレ記録の目的は、数字を埋めることではありません。関連資料 1
  1. 筋トレ記録の目的は「次の判断」を良くすること関連資料 1
  2. 最低限記録したい重量・回数・セット数関連資料 1
  3. 強度を読み解くためにRIRも残す関連資料 1
結論と補助ポイントを分けて整理した図。記録と比較条件を整理する図で、成果や因果関係を示すものではない。 記事固有の編集図。本文の判断軸を要約する模式図であり、科学的証拠、効果保証、個別の診断・処方、Kageの実画面を示すものではない。確認日
図解の参照資料 3件

この記事の要点

記録は次回の判断材料に変換して初めて循環する

Editorial map記録、比較、判断、次回実行の循環を4段階で示す
  1. 01記録する重量・回数・RIRを残す
  2. 02同条件で見る前回と今回を分けて確認
  3. 03差を言葉にする変化と条件をメモ
  4. 04次回へつなぐ記録を判断材料にする
記録→比較→一つの変更→次回記録の順で振り返る。共有図解は本文の概念を整理する編集上の模式図であり、科学的証拠、効果保証、個別の診断・処方、Kageの実画面を示すものではない。

筋トレ記録の目的は「次の判断」を良くすること

「今日はかなり頑張った」という感覚だけでは、前回より進歩したかを正確に振り返れません。同じ種目を近い条件で行い、重量、実施回数、セット数、努力度を残せば、変化を具体的に確認できます。

抵抗トレーニングの負荷を表す候補には、重量、量、休憩、反復速度、主観的努力度などがあります。査読レビューでは、セット数×回数×重量、セットごとの主観的強度、セッション全体の主観的強度などが有用である一方、複雑なトレーニング刺激を一つの方法だけで完全に表す合意はないと整理されています。2

トレーニングログは「万能スコア」を作るためのものではありません。複数の情報を並べ、次の意思決定を少し良くするための道具です。

最低限記録したい重量・回数・セット数

基本となる記録項目は次のとおりです。

重量は予定値ではなく、実際に使用した値を残します。ダンベルなら、片手分か両手合計かを統一します。マシンの機種や設定が違う場合は同一条件とみなさず、機種名やシート位置も残します。

回数は、あらかじめ決めた動作範囲とフォームを満たした反復だけを数えます。補助が入った、動作範囲を短くした、テンポを変えた場合は短いメモを添えます。抵抗トレーニング研究の報告方法を扱ったレビューでも、負荷と回数だけでなく、動作範囲、筋長、休憩、反復のテンポ、失敗までの近さなどが結果の解釈に関わると指摘されています。3

強度を読み解くためにRIRも残す

同じ100kg×5回でも、限界だったセットと、あと3回できたセットでは意味が異なります。そこで役立つのがRIR(Repetitions(用語集を新しいタブで開く) in Reserve)、つまり「あと何回できそうだったか」という主観的な推定です。

  • RIR 0:もう1回は完了できないと感じた
  • RIR 1:あと1回できそうだった
  • RIR 2:あと2回できそうだった
  • RIR 3:あと3回できそうだった
  • RIR 4+:あと4回以上できそうだった

kageの「4+」は正確に4回という意味ではなく、4回以上の余力をまとめた区分です。RIRはセット直後に記録しますが、機器で直接測定した値ではなく主観的推定です。

研究で示されたことと、そこから断定できないことを分けて読みます。セット前または途中で予測した残り反復回数を扱った系統的スコーピングレビューと探索的メタ解析(用語集を新しいタブで開く)では、平均すると実際より約0.95回少なく見積もる傾向がありました。ただし研究間のばらつきは大きく、この結果を通常のセット終了後RIRへそのまま当てはめることはできません。限界に近いセットや反復数が少ない条件では推定しやすくなる傾向も示されました。4

個々のRIR値を厳密な実測値とみなさず、同じ種目・近い条件での複数回の記録と併せて解釈します。「RIR 2だから必ずあと2回できた」と断定する使い方は避けます。

比較できるトレーニングログの書き方

比較の単位は「同じ種目・近い条件の1セット」です。たとえば、ベンチプレスの記録は次のように残します。

ベンチプレス/通常フォーム
1セット目:100kg×6回、RIR 2
2セット目:100kg×6回、RIR 1
3セット目:100kg×5回、RIR 1
メモ:2セット目から通常より短い休憩

この例では、重量と回数だけでなく、RIRと休憩の例外も残しています。比較の精度を上げるには、種目名だけでなく、フォーム、動作範囲、器具、左右の扱いをそろえます。片脚・片腕種目は、左右の結果を別々に残します。「左10回・右8回」を単純に合計18回とだけ記録すると、左右それぞれの変化が見えなくなります。

メモは毎回長文にする必要はありません。フォーム変更、痛みや違和感、補助、器具変更、普段と大きく異なる休憩など、次回の比較に影響する例外だけで十分です。

記録を漸進性過負荷につなげる手順

実践しやすい方法の一つは、回数範囲と目標RIRを先に決めることです。例として「5〜8回、RIR 1〜3」と設定します。読み方は次のとおりです。

  1. 1週目が100kg×6回・RIR 2、2週目が100kg×7回・RIR 2なら、同じ負荷と近い努力度で反復能力が上がった可能性があります。
  2. 100kg×8回を目標範囲内のRIRで安定して完了できたら、次回は利用できる最小単位だけ重量を上げる、という判断ができます。

ACSMの2009年版ポジションスタンドでは、設定した回数を1〜2回上回る状態が2回連続のワークアウトで確認された場合に、負荷を2〜10%増やす方法が示されています。5 これは一律の正解ではなく、種目、経験、器具の刻み幅に応じて調整します。上半身種目や経験者では、器具で選べる最小幅の増量でも大きすぎる場合があります。

反対に、1回だけ回数が落ちても停滞とは限りません。睡眠、セット間休憩、実施順、器具、フォームなどを確認し、同条件の複数回から判断します。

ボリュームとe1RMの正しい見方

セット数×回数×重量で求めるvolume load(用語集を新しいタブで開く)は、同じ種目における外的負荷量の参考になります。100kgを5回行えば500kgです。ただし、動作距離や力学的条件、動作範囲、努力度を含まないため、スクワット500kg分とレッグエクステンション500kg分を同じ刺激として比較することはできません。2

e1RMは、使用重量と完了回数をEpley式などに当てはめて得る推定指標です。反復回数と%1RM(用語集を新しいタブで開く)の関係を269研究・7,289人から分析したメタ回帰(用語集を新しいタブで開く)では、ベンチプレスとレッグプレスで関係が異なり、他の種目にはさらにデータが必要と報告されています。7 実測1RMそのものとは扱わず、同じ種目、同じ式、近い実施条件で、単一値ではなく推移を見る補助指標として使います。

1RMテストそのものは、32研究・1,595人をまとめた系統的レビュー(用語集を新しいタブで開く)で概して高い再検査信頼性を示しましたが、変動がゼロという意味ではありません。6 これはe1RM計算式の妥当性を直接保証する結果でもありません。

kageの分析画面では、完了したPR対象セット(用語集を新しいタブで開く)のうち1〜12回のセットについて、Epley式によるe1RMを表示します。左右別種目では少ない側の回数を用います。RIRは式に含まれないため、同じe1RMでも余力が同じとは限りません。

kageで前回の自分と比較する

kageでは、セット中に今回の重量・目標回数と、前回の同じセットにおける重量・実績回数・RIRを確認できます。完了後は、種目別e1RM、ボリューム、PR(用語集を新しいタブで開く)履歴などを振り返れます。

左右を別々に行う種目では、左右の実績回数やRIRを分けて記録できます。セットメモにはフォームや器具変更など、比較条件に影響する情報を残せます。

数字を増やすこと自体を目的にしないことが大切です。「同じ条件で前回より1回多くできた」「同じ回数を、より余裕を残して完了した」という変化を、次の一セットの判断材料にします。

よくある質問

全セットを記録するべきですか?

少なくともワークセットはセットごとに記録します。一般的なログでウォームアップも残す場合は、ワークセットと区別します。kageのウォームアップ提案は記録対象外で、履歴やボリュームには含まれません。

毎セット限界まで行う必要がありますか?

必要ありません。2026年のACSMポジションスタンドでは、健康な成人において、反復を続けられない状態(momentary muscle fatigue)まで毎セット行うことによる一貫した改善効果は確認されませんでした。1 目的、経験、種目、安全性、疲労を考慮して努力度を設定します。

痛みが出たセットはどう記録しますか?

成果判定のために無理に続けず、中止した事実と状況をメモします。強い痛み、繰り返す症状、日常生活へ影響する症状がある場合は、医師や理学療法士などの医療専門職へ相談してください。

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参考文献

  1. Currier BS, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003897
  2. Scott BR, Duthie GM, Thornton HR, Dascombe BJ. Training Monitoring for Resistance Exercise: Theory and Applications. Sports Medicine. 2016. DOI: 10.1007/s40279-015-0454-0
  3. Coratella G. Appropriate Reporting of Exercise Variables in Resistance Training Protocols: Much more than Load and Number of Repetitions. Sports Medicine - Open. 2022. DOI: 10.1186/s40798-022-00492-1
  4. Halperin I, et al. Accuracy in Predicting Repetitions to Task Failure in Resistance Exercise: A Scoping Review and Exploratory Meta-analysis. Sports Medicine. 2022. DOI: 10.1007/s40279-021-01559-x
  5. Ratamess NA, et al. Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2009. DOI: 10.1249/MSS.0b013e3181915670
  6. Grgic J, Lazinica B, Schoenfeld BJ, Pedisic Z. Test-Retest Reliability of the One-Repetition Maximum (1RM) Strength Assessment: a Systematic Review. Sports Medicine - Open. 2020. DOI: 10.1186/s40798-020-00260-z
  7. Nuzzo JL, Pinto MD, Nosaka K, Steele J. Maximal Number of Repetitions at Percentages of the One Repetition Maximum: A Meta-Regression and Moderator Analysis of Sex, Age, Training Status, and Exercise. Sports Medicine. 2024. DOI: 10.1007/s40279-023-01937-7

根拠の選定・更新方法は「編集・エビデンス方針」をご覧ください。

この記事は一般的なトレーニング情報であり、診断、治療、個別の医療助言ではありません。kageの回復表示や記録も、医療上の診断や運動可否の判定を行うものではありません。

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