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上半身・下半身分割(Upper/Lower)は、上半身と下半身を別の日に分ける方法です。週4回なら上半身2日・下半身2日へ配る形が考えやすい一方、月・火・木・金という並べ方や「各部位48時間空ければ回復済み」が科学的な唯一解ではありません。
重要なのは、週4回という日数だけでなく、各筋群の頻度、週セット数、同じ種目を行う回数、1回量を分けることです。
本稿のメニューは運用例であり、全身法(用語集を新しいタブで開く)より優れることを保証する完成処方ではありません。
「上半身・下半身分割の週4回メニュー例|曜日配置と負荷配分」では何を確認する?
上半身・下半身分割(Upper/Lower)は、上半身と下半身を別の日に分ける方法です。関連資料 1図解の参照資料 3件
Upper/Lower週4回の基本構造
| 曜日例 | 内容 | 役割例 |
|---|---|---|
| 月 | 上半身A | 水平方向の押す・引く動作を優先 |
| 火 | 下半身A | スクワット系の動作を優先 |
| 水 | 予定なし | 生活上の休み、回復を確認 |
| 木 | 上半身B | 垂直方向の押す・引く動作や別種目 |
| 金 | 下半身B | ヒップヒンジ(股関節を折る動作)系を優先 |
| 土・日 | 予定なし | 次週までの配置の余地 |
月火木金は、上半身の日同士・下半身の日同士を離しやすい配置例です。火水金土、月水木土などでも構成できます。曜日名自体に効果があるわけではなく、仕事、睡眠、施設利用、他競技と両立できることを優先します。
同じ週4回でも、各筋群を上半身または下半身の2日に必ず同量ずつ置く必要はありません。優先種目をA日に多め、B日に少なめとする方法もあります。日ごとの差は名称だけでなく、種目、予定セット、実施セット、回数、RIR(用語集を新しいタブで開く)として残します。
週間配置は頻度だけでなく重なりと休息を見て決める
| 曜日枠 | 計画 | 実績 |
|---|---|---|
| 前半 | training day A | 完了・変更を記録 |
| 中盤 | 休養またはtraining day B | 実際の選択を記録 |
| 後半 | 次のtraining day | 未実施は未実施のまま |
通う日数と筋群・種目の頻度を分ける
Upper/Lower週4の典型例では、多くの筋群を週2回扱います。ただし、ベンチプレスを上半身Aだけに置けば、胸の頻度は2回でもベンチプレス自体は週1回です。ルーマニアンデッドリフトとデッドリフトを別の下半身の日に置けば、ハムストリングスや臀筋の刺激は両日に重なり得ます。
整理する単位は次の4つです。
- 週に通う日数
- 各筋群へ刺激がある日数
- 同じ種目を行う日数
- 各筋群の主働筋(用語集を新しいタブで開く)の週セット数
「Upper/Lowerだから週4で十分」「各部位週2だから最適」と分割名だけで結論を出さないでください。
研究から分かる範囲
ACSM 2026は137件の系統的レビュー(用語集を新しいタブで開く)、健康成人3万人超を概観し、筋力や筋肥大(用語集を新しいタブで開く)に関わる負荷、量、頻度などを整理しました。1 筋力は週2回以上の条件で高まりやすい傾向がまとめられましたが、Upper/Lower週4や月火木金を全員の最適構成とはしていません。
Schoenfeldらの2019年筋肥大メタ解析(用語集を新しいタブで開く)は25研究836人を含み、ボリュームをそろえた13研究29アウトカムで高頻度対低頻度の効果量(用語集を新しいタブで開く)は0.07、95%信頼区間(用語集を新しいタブで開く) -0.02〜0.17、p=.11、I²(用語集を新しいタブで開く)=0%でした。2 頻度は週ボリュームを配る手段になり得ますが、非有意差(用語集を新しいタブで開く)は各頻度の同等を証明しません。
分割法対全身法の統合結果
Ramos-Campoらの2024年メタ解析は14研究392人を対象に、ボリュームをそろえた分割法(用語集を新しいタブで開く)と全身法を比較しました。3 ベンチプレスの統合差は1.19kg、95%信頼区間 -1.28〜3.65、下半身筋力は2.47kg、95%信頼区間 -2.11〜7.05で、明瞭な群間差を確認しませんでした。
対象は18〜39歳で男性のみ11研究、女性のみ2研究、混合1研究でした。構成、頻度、ボリュームの等化法は混在します。除脂肪体重はPubMed抄録と出版社本文で数値表現が一致しないため、精密値を掲載しません。このレビューはUpper/Lower週4の優越性や統計的な同等を証明しません。
レビューに含まれる個別試験の読み方
Pedersenらは筋トレ未経験の女性50人を全身法週2回と分割法週4回へ無作為化し、44人が12週間を完遂しました。4 両群の部位の頻度、種目、週セット数・回数は同じで、主要な指標に明瞭な群間差はありませんでした。通う日数は2対4でも、各部位の頻度は両群週2です。
Johnsenらはトレーニング経験のある男性21人を、各筋群週2回の分割法と週4回の全身法で8週間比較し、ボリュームをそろえました。5 ベンチプレスの群内増加は7.75kg対8.86kgで、論文はベンチプレスとスクワットに明瞭な群間差を確認しませんでした。全身法群のスクワット増加量は抄録の14.31kgと考察の12.27kgが一致しないため、本稿ではその値を使いません。
PedersenとJohnsenの試験はRamos-Campoのレビューに収載された試験で、メタ解析とは別の独立した証拠として二重計上しません。個別条件を理解する例として扱い、非有意差を「どちらも同じ」とは読みません。
週セット数を4日に配る方法
1. 筋群ごとの週セット数を決める
まず直近に実施できている主働筋セットを筋群別に数えます。例えば胸8セットなら上半身Aへ4、上半身Bへ4と分けられますが、4+4は算術例です。すべての筋群へ同じセット数が必要という意味ではありません。
2. 優先種目を前半へ置く
筋力を伸ばしたい種目は、疲労が少ない位置へ置きます。上半身Aでベンチプレス、上半身Bでインクラインプレスを先頭にすれば、胸の頻度は2回でも、同じ種目の練習頻度は各1回です。同じ種目の推移を重視するなら、バリエーションを増やしすぎない選択もあります。
3. 多関節種目と補助種目の重複を確認する
プレスは上腕三頭筋、ロウや懸垂は上腕二頭筋、スクワット・ヒップヒンジは臀筋やハムストリングスへ重複します。補助筋への刺激を無視して補助種目を足し続けず、実施回数、RIR、可動域(用語集を新しいタブで開く)の変化を確認します。ただし補助筋を一律0.5ハードセットとする学術的な普遍則もありません。
4. 1回量と継続性を確認する
Upper/Lowerへ分けても1回が長すぎるなら、任意の種目を減らす候補になります。反対に週4日の確保が難しく欠席が続くなら、週ボリュームを週3または週2へ再配分する選択もあります。週4を守ること自体を目的にしません。
ボリュームロード(用語集を新しいタブで開く)の限界は筋トレのボリューム計算方法、主働筋と補助筋の違いは部位別トレーニング履歴の読み方を参照してください。
48時間を完全回復の線にしない
Sousaらのレビューは24研究を検討し、限界までの近さ、高ボリューム、下半身の多関節種目、エキセントリック(用語集を新しいタブで開く)(伸張性)局面の強調などで回復が長引く可能性を整理しました。6 研究方法と指標は多様で、全員共通の48時間・72時間は導けません。
上半身Aから上半身Bまで72時間空ける配置でも、完全回復や安全を保証しません。逆に48時間未満だから一律に不適切とも言えません。同条件のパフォーマンス、RIR、主観、痛み、生活上の回復条件を分けて確認します。
連日配置で慢性適応と翌日のパフォーマンスを分ける考え方は、筋トレを連日行っても大丈夫?で詳しく解説しています。
KageのUpper/Lowerテンプレートで確認できる範囲
Kageの内蔵Upper/Lowerは、上半身A、下半身A、上半身B、下半身Bの4日構成です。各日の予定セット数は17セットで、1周あたり合計68セットです。これは各種目の予定セットを単純合計した初期値で、実施済みの週ボリューム、筋群別のハードセット、個人の最適量ではありません。強度の目安(重め・中・軽め)は計画のヒントで、固定の%1RM(用語集を新しいタブで開く)や自動の負荷処方ではありません。
曜日未設定では4回のトレーニング後に自動休息日を1日入れる「4+1」の周期で、自分で休息日を入れない場合の予定は週平均およそ5.6回に相当します。「4日」という表示が暦週の週4回を保証しません。自動休息日は周期の位置で決まり、週セット数、RIR、症状、回復表示に反応して追加・移動されません。
暦週の週4へ固定するには、4つのトレーニング日それぞれへ異なる曜日を1つずつ設定します。編集画面は、全日への割当、各日1曜日、プログラム全体での曜日の重複を自動では確認しません。1日でも設定すると曜日方式になり、未設定の日は予定に出ず、重複した曜日では先に一致した日だけが選ばれます。
曜日方式の欠席は翌日へ自動では繰り越されません。曜日未設定の周期方式は未実施なら順番が進まず、翌日も同じトレーニング日を示し得ます。未来の予定は完了実績ではありません。
部位バランス・高努力セット・回復表示
部位バランスの「頻度 N/M週」は、対象筋群に主働筋または主働筋と重複しない補助筋としての記録があった月曜始まりの週数です。同じ週の1回と2回を区別しません。期間全体でワークセット(用語集を新しいタブで開く)を含むセッションが3件以上、2つ以上の週にまたがるまで部位バランス全体は「判定前」で、これは科学的なデータの十分性や筋群の頻度ではありません。
ワークセットは、時間制ではなく回数が1回以上の完了・途中終了の論理セット(用語集を新しいタブで開く)で、左右ペアも1セットです。高努力セットは記録済みRIR 0〜3だけを数え、RIR未記録を含みません。週比較ではRIRの記録率を併記し、補助筋の0.5を普遍的なハードセット換算にしません。
部位ごとの回復表示(Recovery Clock)は、実施した種目がセッションに1件あれば、セット数、完了、量、限界までの近さを見ずに主働筋・補助筋を更新します。0〜47時間「回復中」、48〜167時間「ピーク」、168〜335時間「休息」、336時間以上「未刺激」は表示ルールで、完全回復、次の上半身・下半身の日、運動の可否を判定しません。
曜日未設定の周期では、終了時刻が保存されていないセッションをiOS版は開始時刻で扱い、Android版は対象外にします。インポートしたデータや未完了のセッションがあると、次のトレーニング日や予定の表示が異なる可能性があります。
本稿の限界
本稿の曜日配置は説明用の例で、個別の勤務、競技、症状、回復状況へ最適化した処方ではありません。曜日未設定時のKageの周期も暦週を保証しません。
まとめ
- Upper/Lower週4は、上半身2日・下半身2日へ週量を配る運用例
- 月火木金や48時間は科学的な唯一解・完全回復の保証ではない
- 通う日数、筋群、種目の頻度と週セット数を分ける
- 分割法対全身法の非有意差は優越性・同等を証明しない
- Kageの各日は予定17セットだが、実施した週ボリュームや筋群のハードセットではない
- 曜日未設定のUpper/Lowerは「4+1」の周期で、暦週の週4を保証しない
参考文献
- Currier BS, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003897
- Schoenfeld BJ, et al. How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency. Journal of Sports Sciences. 2019. DOI: 10.1080/02640414.2018.1555906
- Ramos-Campo DJ, et al. Efficacy of Split Versus Full-Body Resistance Training on Strength and Muscle Growth: A Systematic Review With Meta-Analysis. Journal of Strength and Conditioning Research. 2024. DOI: 10.1519/JSC.0000000000004774
- Pedersen H, et al. A randomized trial on the efficacy of split-body versus full-body resistance training in non-resistance trained women. BMC Sports Science, Medicine and Rehabilitation. 2022. DOI: 10.1186/s13102-022-00481-7
- Johnsen E, van den Tillaar R. Effects of training frequency on muscular strength for trained men under volume matched conditions. PeerJ. 2021. DOI: 10.7717/peerj.10781
- Sousa CA, et al. The Importance of Recovery in Resistance Training Microcycle Construction. Journal of Human Kinetics. 2024. DOI: 10.5114/jhk/186659
根拠の選定・更新方法は編集・エビデンス方針をご覧ください。
本稿は健康な成人を対象とした一般情報です。個別の診断、治療、傷害からの復帰判断を代替しません。
